ここは、とある学校のとある教室・・・
受験を間近に控えている3年生は、熱心に授業に聞き入り、黒板に書かれていることを懸命に各自のノートに書き写している。
その中に1人、机に突っ伏して幸せそうにスヤスヤ寝息を立てている者がいた・・・
髪は少し茶の入った肩ほどまでの黒髪を後ろにリボンで縛っている。
服装はこの学校の制服である膝ほどまでの白衣に黒の綿製のズボン。
胸元にはこの学校の校章である銀製の羽のペンダントが下げられている。
( 制服はこの学校には無く、一部の生徒が勝手に決めてしまったもので着ていなくても別にいいのだが、99%の生徒はこの制服を着ている。
ちなみに女子の制服は、白いセーターに紺のブレザー、紺のプリーツスカート。胸元には男子と同じく銀製の羽のペンダントが下げられている。
女子の方は制服がキチンと決められているのは、初代校長が制服マニアだったからだと噂されているが、真偽のほどは定かではない・・・ )
まぁ、そんな男が一応この話の主人公の 羽宮 清 だ。
キーンコーンカーン・・・
清:「・・・」
学級委員長:「起りーつ、礼」
清:「・・・」
ワイワイガヤガヤ
あゆ:「うぐぅ〜、やっと終わったよ〜」
真琴:「ねえねえ、これからカラオケ行こうよ♪」
あゆ:「あ、いいよ〜行こ行こ。 未沙も行こうよ」
未沙:「え、う〜んと・・・ごめん。 また今度誘ってよ」
あゆ:「そっか、わかったよ」
未沙:「うん、また明日ね、あゆ、真琴」
あゆ:「うん、また明日♪」
真琴:「それじゃね〜。 行くわよ、あゆあゆ」
あゆ:「うぐぅ〜、待ってよ〜真琴ちゃん〜。 それに、ボクはあゆあゆじゃないよ〜」
あゆと真琴と呼ばれた少女2人は、どたばたと教室を飛び出していった。
食い逃げ常習犯と狐の持ち前の素早さはさすがで、2人の姿は瞬く間に見えなくなった。
その間も清は自分の机に突っ伏したままである。
それどころか・・・
清:(・・・うるさいな・・・ゆっくり眠れないじゃないか・・・)
と、こんな調子である。
そんな清に向かって、さっきあゆと真琴と喋っていた女の子が呆れた顔で近づいてくる。
肩まで伸びた少し赤みを帯びた髪と、同じく少し赤みを帯びたクリッとした目が特徴的で、他の女生徒と同じ制服を着ている。
この少女は 藤保 未沙。
清とは幼稚園からの仲だ。
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